農水省「食品機能性プロジェクト」
「白米と同じように炊けるやわらかい玄米」は、2013年スタートの農林水産省直轄研究「食品機能性プロジェクト*」で誕生しました。
※食品機能性プロジェクトとは...近年増加する生活習慣病や認知機能、精神的ストレスなどには食品による改善作用があると言われています。このプロジェクトは農林水産物や加工食品の持つ機能性をヒトの介入試験や基盤的な研究により科学的に解明することで、日本の豊かな食材を活かした自然な食生活により健康で豊かな生活を享受出来る社会の構築に貢献するため立ち上げられました。
国立研究法人(農研機構、筑波大学)、茨城県農業研究所と一緒にヤマトライス(大和産業株式会社)が玄米の栄養機能性を活用して生活習慣病の改善や健康寿命の延伸を図る目的で研究開発を行った成果が「表面加工玄米」として発表され、製品化されたのです。
この研究では、白米よりも一次機能(栄養機能)と三次機能(生体調節機能)が優れる玄米の二次機能(嗜好性)向上が目標の一つに掲げられました。
つまり、健康に良い玄米を美味しく食べよう!ということです。
そこで同じく全粒穀物の嗜好性向上を研究していた米国農務省とも情報交換を行いながら「表面加工玄米」の開発が始まりました。
製造機の試作から製品化まで
「表面加工玄米」の製造には食品総合研究所(食総研)の持つ全粒粉の研削技術を玄米に応用することになり、改良、試作する日々が始まりました。
大和産業は小麦なども扱っており、その製造技術の研究を応用したものが機械のベースとなっています。
生産性の向上や、分解清掃のしやすさなどの実用性、工場へ設置するための改良を行い、適切に加工が出来るよう食総研主導での試作が繰り返されました。
製造機械の試作と並行して行われたのが様々な試験です。「表面加工玄米」の継続摂取による肥満度の改善効果やGI値の比較検討のためのヒト介入試験、貯蔵性や食味の試験、おにぎりなどへの加工性、中外食向けの大量炊飯の適性、炊飯時加水量など調理方法の試験などが行われました。
- 食総研による製品紹介と試食会の様子
このように様々な機関、研究施設が協力して導き出した最適な答えである「白米と同じように炊けるやわらかい玄米」はヤマトライスによって製品化され、FSSC22000取得のフードディフェンスの環境が整った工場で製造しています。
ヤマトライスは製造するだけでなく「食品機能性プロジェクト」の成果を広報する役割として、ラグビーの姫野和樹選手を起用したCMや地元大学とコラボしたレシピリーフレットの製作など、消費者の皆様に広く知って頂ける活動を行っています。
そして今でも「白米と同じように炊けるやわらかい玄米」の研究は続けられ、日々細かい改良が繰り返されています。